外貨建て債券とは、日本円(円貨)以外の通貨(外貨)で元本の払い込み、利子の受け取り、償還金の受け取りが行われる債券のことをいいます。海外には、日本と比べて相対的に金利の高い国々があります。海外の高い金利を享受できるのが外貨建て債券の魅力のひとつです。外貨建て債券には国内外の社債や、高格付けの国債・政府保証債(これらはソブリン債と呼ばれ、世界銀行債も含まれます)などがあります。また、主な通貨には、米ドル、ユーロ、豪ドルなどがあります。

外貨建て債券投資・購入から満期まで

外貨建て債券は、外貨(円以外の通貨)で元本を払い込み、利払いと償還は外貨で行われます。そのため、途中売却時や利子の受け取り時、満期償還時に円貨で受け取る場合、為替相場の影響をうけます。円安になった場合は、為替差益を享受できますが、円高になった場合、為替差損を被ることになります。これを為替リスクといいます。

【イメージ図】1ドル100円で10,000ドル購入したとき

世界銀行債とは

世界銀行債(以下世銀債)とは国際機関である世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)が発行する債券のことです。この世界銀行は、加盟189ヵ国と幅広い出資国の支援に支えられた高い信用力があります。発行する債券は、格付機関から確実性・安全性が最も高いトリプルAという最上級の格付が付与されています。発行する通貨は様々で、これまでに57種類以上の通貨で発行した実績があります。近年、多くの個人投資家の方が世銀債をご利用しています。投資家の皆様は、世銀債を通じて開発途上国における農業、教育、社会インフラ、交通インフラ、環境など様々な支援分野において世界銀行の活動を支援することができます。

外貨建て債券の主なリスク

為替リスク

為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより為替差損や差益を被るリスクを為替リスクといいます。為替相場が円高になる過程では外貨建て債券を円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程では外貨建て債券を円換算した価値は上昇することになります。したがって、売却時あるいは償還時の為替相場の状況によっては為替差損が生じる恐れがあります。

カントリーリスク

投資対象国や地域において、政治・経済情勢の変化や新たな取引規制が出来た場合等によって受けるリスクをカントリーリスクと言います。発行通貨国の政治・経済・社会情勢の混乱等により債券の売買が制限されることなどから損失を被る恐れがあります。

信用リスク

発行者の財務状況の悪化(倒産・破綻や財政難など)により、利息や満期日における償還金の支払いが滞ったり、支払い不能が生じるおそれがあります。これが信用リスクです。信用リスクを判断するには、発行者の事業の内容や、財務状況に関する情報をチェックする必要があります。社債の場合にはそれらを記載した目論見書が作成されますので、参考にすることが可能です。また、格付機関が発表している「格付」も判断の参考にすることができます。

価格変動リスク

債券価格が市況や金利水準等の様々な要因を受けて変動するリスクを価格変動リスクといいます。債券を満期まで保有すれば額面金額が戻ってきますが、途中で換金する場合には、実勢価格での売却となるため、状況によっては損失が発生したり、利益が発生したりすることがあります。

流動性リスク

債券は市況や金利水準の変動、また発行者の信用力の変化などによって取引量が少なくなり、必要なときに売却が出来なかったり、また売却できたとしても著しく不利な価格での売却になったりすることがあります。これを流動性リスクといいます。